銀行員の用語集

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ブロックチェーン(Blockchain)とは

ブロックチェーンとは、下記3つの特徴を有するデータベース及び仕組みを含む実装をいう。
① peer-to-peerのネットワークによって完全分散したデータをそれぞれのピアが保持し処理・参照することができる
② 分散処理した結果・合意を一意に保つ分散合意形成プロトコルを持つ
③ 電子署名及びハッシュポインタを使用した改ざん困難なデータ構造を持つ

日本ブロックチェーン協会によるブロックチェーンの定義は以下の通りである。
「1)「ビザンチン障害を含む不特定多数のノードを用い、時間の経過とともにその時点の合意が覆る確率が0へ収束するプロトコル、又はその実装をブロックチェーンと呼ぶ。」
2)「電子署名とハッシュポインタを使用し改ざん検出が容易なデータ構造を持ち、且つ、当該データをネットワーク上に分散する多数のノードに保持させることで、高可用性及びデータ同一性等を実現する技術を広義のブロックチェーンと呼ぶ。」
(日本ブロックチェーン協会ホームページより転載)
上記の筆者のブロックチェーン定義を噛み砕くと、以下のようになる。
① 複数のコンピュータがそれぞれ全く同じの全てのデータを保持・処理・参照している
② ①にて処理した結果を重複や矛盾の無い一意のデータとして保持するための合意形成ルールがある
③ 数学的な暗号技術により改ざん困難なデータ構造を持っている

(出典 デロイト トーマツ テクニカルセンター 会計情報 Vol. 494 / 2017. 10)

 

データが地理的に離れたサーバーに分散保持され、記録されたデータがなくならない(改竄不可能性)、また一部のサーバーが不正侵入されても動き続ける(ビザンチン耐性)という特長を備えた全く新しいデータベースです。

ブロックと呼ばれるデータ保管の単位が一定時間で生成され、コンセンサス・アルゴリズム(合意形成)という各サーバー間にて保持されるデータ検証モデルを持つことが特長です。ビットコインは誰もがアクセス可能なパブリック・ブロックチェーン上で動く最初のブロックチェーン・アプリケーションですが、セキュリティーの非常に高いデータベースの登場により、取引や残高に相当する数字を記録し、様々な攻撃に耐え動き続けるという高い信頼を得ることで仮想通貨としての価値が生まれました。

<ブロックチェーンの特長>

  • 改竄不可能性(Immutability)
    各トランザクション(データ)は連続したブロックに格納されます。そのブロックに依存関係があるので、過去の一部を改竄した場合は、それ以降のトランザクションをすべて整合性がある形で改竄する必要があり、事実上不可能です。
  • ビザンチン耐性(Byzantine Fault Tolerance: BFT)
    ビザンチンノード(嘘つきまたは故障したコンピューター)が一定数存在しても、ブロックチェーンは正しく動き続けます。
  • 単一障害点(Single Point of Failure: SPOF)の排除
    単一箇所が動かないと、システム全体が障害となる箇所。従来型のシステムではマスター、コントローラーや認証局等が単一障害点となります。ブロックチェーンに単一障害点はありません。

(出典 ビットフライヤーホームページ)

 

たとえば大学に通う子どもがいて、毎月生活費を送っていると仮定してみよう。仕送りの方法は多数あるが、最も一般的な方法は、自分の銀行口座から子どもの銀行口座に振り込むというものだ。この取引によって、自分の銀行口座には借方が、子どもの銀行口座には貸方が記録される。

たいていは自分も子どもも、互いの銀行記録を見ることはない。銀行は顧客に代わって個々の台帳を保存し、その正確さと機密性を確保するために多くの時間とコストを投じている。

毎月仕送りをするたびに、取引情報(日付、時間、金額など)が刻まれた「ブロック」を置くものと想像してみよう。自分も子どももこのブロックを見て、送金と受領を確認できる。金遣いの荒い子どもが翌週にやって来て、「銀行がミスをして」送金されなかったと訴えることもないだろう。

毎月ブロックを追加することで、「チェーン」が形成される。「ブロック」と「チェーン」によって、やがて大学を卒業するこの子どもとの取引がすべて記録される。自分が歳をとって衰えてきたら、子どもにこのチェーンを見せて大学にいくらお金がかかったのか示し、質の高い老人ホームに同程度の金額を投じるよう要求することもできるだろう。

これがブロックチェーンのおおよその仕組みである。各ブロックは金融取引の記録であり、チェーンは共有の会計台帳で、複数のネットワークにわたるすべての関係者、すなわち「ノード」から確認できる。新たな取引が発生するたびにすべてのノードによって検証され、有効であれば台帳のすべてのコピーに追加される。すなわち、新しい「ブロック」が「チェーン」に追加されることになる。

チェーンは暗号化によってセキュリティが確保されるため、記帳後は誰も記録を変更できない。暗号を回避する方法を見つけたとしても、記録はすべての当事者が確認できるため、誰にも気づかれずにブロックを変更することは不可能に近い。できたとしてもせいぜい、新たなブロックを追加する程度である。

現代の金融構造は、15世紀のベネチアの貿易業者や17世紀のオランダの証券取引所から進化したものだ。複式簿記はこのように非常に早い時期から使用されており、現代の金融界の基盤となっている制度を形作ってきた。

資金、商品、株式、ローンなど、あらゆる種類の交換や取引の概念では、各関係者は自身の台帳を用いてすべての取引を追跡記録するよう求められる。たいていの場合、この方法は非常に有効である。しかし時折、複数ある台帳が一致しなくなり、監査や不信、監視の強化につながることもある。

ブロックチェーンの特徴は、すべての当事者が同じ台帳を使用し、すべての関係者がそれを見ることができる点にある。台帳が一つしかなければ、一致しないということはありえない。

この新しい金融記録のアプローチにより、以下のようなさまざまなメリットがもたらされる。

● 取引の信用性向上:すべての関係者がチェーン内のブロックをすべて確認できるため、あらゆる取引の公正性の確保が容易になる。衆人環視下で不正取引を行うことは困難だ。

● 不正行為の減少:同様に、金融取引や他の取引の隠ぺい、不正伝達、抹消は、不可能ではないにしても非常に難しくなる。

● リスクと関連する「倫理の欠如」の減少:信用が高まって不正行為が減ることで、企業のリスクも減少する。契約や取引が評価されることで、「モラル・ハザード」、すなわち「倫理の欠如」が目につきやすくなる。

● 取引コストの削減と処理時間の短縮:システムや組織インフラの数が減るため、取引プロセス全体が簡略化・高速化され、コストも削減できる。

ビットコインとブロックチェーンはまとめて議論されることが多いが、両者は同じものではない。ビットコインはブロックチェーンの応用であり、ブロックチェーンはビットコインを必要としない。そうはいっても、ブロックチェーンがいかに機能するかを世界的に証明し、特に銀行やクレジットカード決済業者といった金融サービス業界においてブロックチェーンへの関心を急速に喚起しているのは、ビットコインである。

ただし、ブロックチェーンの破壊的イノベーションは、金融サービス業界に限定されるものではない。流通を通じて商品を販売している業界や、あるいは電気や上下水道の利用状況を測定・追跡する公共事業も対象となる。短期の住宅賃貸、カー・シェアリング、農場から食卓に至る食糧生産も、ブロックチェーンによる破壊的変革を体験できるかもしれない。

急速に進化するブロックチェーンの応用例としては、オンライン投票、医療記録保持、美術品や歴史的遺物の来歴、従来型の銀行が対応していない地域や人々に向けた非営利の銀行業務、時間のかかる一般的バックオフィス業務のプロセス自動化などもあげられる。

金融組織もテクノロジー組織も、ブロックチェーンに関する詳しい考察と今後の用途の検討を始めたばかりである。この初期段階においても、効率性、透明性、信用を高め、リスク、コスト、複雑さを低減できる可能性がある。

(出典 オラクルジャパン ホームページ)