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タックスヘイブン ( Tax Haven ) とは

タックス・ヘイブン(Tax Haven)とは、課税が完全に免除されたり、著しく軽減されたりしている国や地域のことで、租税回避地、低価税地域とも呼ばれます。主に税制上の優遇措置を地域外の企業に対して戦略的に設けている国や地域を指し、代表的な場所としてはイギリス領ケイマン諸島、バージン諸島といったカリブ海の島国や、ルクセンブルク、モナコ、アメリカ東部のデラウェア州などが挙げられます。
多国籍企業や富裕層が、法人税や源泉徴収税が皆無に等しいタックス・ヘイブンに資産を移し、オフショア取引を利用して租税回避するケースが多く、2016年5月に公表された「パナマ文書」では、その利用実態の一部が明らかになりました。脱税行為や利益移転、マネーロンダリング、犯罪・テロ資金隠匿などに悪用されるケースもあります。

(出典 SMBC日興證券ホームページ)

 

外国資本や外貨獲得のため、金融・サービス業などの所得に対し、税率が極めて低いか、全くかからない国や地域のこと。
中米パナマや英国領バージン諸島、ケイマン諸島、バミューダ諸島など小国や島が多く、日本語では「租税回避地」といいます。タックスヘイブンでの会社の設立・利用自体は合法ですが、多国籍企業や富裕層の自国での課税逃れや、麻薬組織のマネーロンダリング(資金洗浄)に悪用されているとの批判があります。経済協力開発機構(OECD)は税率や法制度の透明性を基準にタックスヘイブンのブラックリストを策定し、是正を促しています。

(出典 大和証券ホームページ)

 

租税回避地とも呼ばれ、税金が免除される、もしくは著しく軽減される国や地域を指す。ケイマン、バハマ、バージン諸島、イギリスのマン島、ジャージー、ガンジー島などが代表的。タックスヘイブンには、
(1)租税がない、あるいは著しく減免されている
(2)資金移動制限や為替規制は最小限度
(3)秘密主義
(4)租税回避が国家の方針であり、法人設立から得られる登記料、法人登記更新の際の政府納付金や手続き費用を国の財源としているなどの特徴がある。
このようなタックスヘイブンは、租税負担の軽減を目的とした多くの資金が経由して動いており、現在の国際金融取引において必要不可欠な存在であると考えられている。一方、マネーロンダリングに悪用されることもあるので注意を要する。

(出典 日本プロパティ・ソリューションズホームページ)


タックス・ヘイブンとは、法人所得に対する租税負担の極端に低い又はゼロの国または地域のことをいい、典型的には、バミューダ諸島、ケイマン諸島、香港、ブリティッシュ・バージン・アイランド、アイルランド、オランダなどが挙げられる。
当該国における税制や法令・会計制度、日本との間の租税条約の有無、内容などを鑑みてSPCを設立し、当該SPCによって対象会社のM&Aを行うことがある。

(出典 山田コンサルティンググループホームページ)

 

タックスヘイブンとは、租税回避地のことをいいます。「そこにお金を持っていけば、税金を払わずに済み、名前なども公開されずに、好き勝手にお金の出し入れできる国や地域のこと」を指します。

具体的には、パナマのほか、ケイマン諸島などカリブ海の島々、ドバイ、香港、モナコなど世界中に存在します。これ以外にも、オランダ、ルクセンブルク、スイスなど先進国の金融市場もタックスヘイブンに分類されています。さらにロンドン、ニューヨークもタックスヘイブンと言われることもあります。
タックスヘイブンにペーパーカンパニーを作り、そこにお金を移して本国で課税されるのを免れるわけですが、世界の銀行資産の半分以上がタックスヘイブンを経由して送金され、国際的な銀行業務や債券発行業務の約85%がタックスヘイブンで行われています。

タックスヘイブンの利用者は、「これは合法だし、節税対策だ」と主張します。これは本当でしょうか? ここで、脱税、節税、租税回避がどう違うのかということについて確認しておきましょう。

まず、脱税とは、本来納めるべき税金を納めないことです。もちろん、違法です。たとえば、1億円の所得に対して5千万円の税金がかかったとします。それを納めない、あるいはごまかして少なく申告するというようなことを指します。
それに対して節税は、住所や本社を他国に移し、本国では納税しないことで、合法です。たとえば、日本は税金が高いと考えて、税金の安い香港に住所や本社を移すとします。もし香港での所得税が1千万円であれば、4千万円を節税することができます。この場合、日本に税金を納めなくても、合法です。
さて、問題は租税回避です。これは、住所や本社を「形だけ」他国に移し、本国では納税しない形だけ「合法」の行為を指します。こうすることで、高額の所得や財産があっても、本国にも、どこにも納税しないで済むのです。
このように、タックスヘイブンは大きな問題を孕んでいますが、タックスヘイブンを利用するようなお金持ちや大企業が、そもそもなぜお金持ちになったり、会社を大きくできたのかという理由を考えてみましょう。
税は人類が編み出した一つの知恵で、みんながお金を出し合うことによって支え合う仕組みです。政府は集められたお金を用いて医療、教育、福祉を整え、社会も安定し、モノやサービスを買ってくれる消費者が誕生します。そして、彼らがモノやサービスを購入してくれたから、企業は発展し、お金持ちはお金持ちになることができたのです。その大企業やお金持ちが租税回避するということは、彼らは社会からの恩恵を受けるだけ受けていながら、その義務や責任を回避し、自分たちが豊かになれた社会の土台そのものを掘り崩している、ということを意味します。
一方、ほとんどの庶民は、税は源泉徴収され、租税回避はできません。ということは、富裕層や大企業が租税回避した「しわ寄せ」が庶民に降りかかることになります。これが格差を拡大します。人々が「こんなことは不公平で不公正だ」と声をあげるのも無理はありません。
タックスヘイブンの一番の特徴はその秘密性にあります。これは、悪いことをして稼いだお金であっても、タックスヘイブンを通れば「きれいな」お金になって戻ってくるというマネーロンダリングの温床にもなっています。
さらに、タックスヘイブンに秘匿されている資金の大きさです。タックス・ジャスティス・ネットワークによると、その額は実に2310兆円~3520兆円です。日本の国家予算はおよそ100兆円ですので、仮に3000兆円で計算すると、日本の国家予算の30倍のおカネが裏経済にまわされて実態が隠されているということになります。
この秘匿されている資金にきちんと課税すれば、年間21兆円~31兆円の税収が上がると試算されています。ちなみに、日本の企業によるケイマン諸島への投資残高は63兆円で、アメリカに次いで2番目の大きさです。もしこれに消費税と同じ8%を課税すれば、5兆円の税収が得られ、それは消費税の2%相当します。

このタックスヘイブン問題ですが、解決策はあるのでしょうか?もちろん簡単には解決できない難しい問題ではあるのですが、その中で今重要な対策として注目されているのが、グローバル・タックスです。つまり、グローバル化した地球社会を一つの「国」とみなし、地球規模で税制を敷く政策です。

もう少し詳しく言うと、3つの話に分類できます。まずは、「漏れを防ぐこと」、つまりタックスヘイブン対策で、情報の透明化が鍵になります。次に、タックスヘイブン税など実際に税金をかける議論です。最後に、税をかけ、お金を集め、使うための仕組みを創る議論があります。
解決に向けてできることは、まず各国の税務当局が、タックスヘイブンにある口座情報を自動的に交換できるシステムを構築することです。現在OECD(経済協力開発機構)と関連する国際機関が中心となって、その実現に向けて動いています。次に、明らかになった情報に基づき、規制を行う。あるいは、その情報に基づき、課税を行うことです。そのことにより、タックスヘイブンを利用する「旨み」を減らし、徐々に利用者を少なくしていくことで、長期的にタックスヘイブンをなくしていくことが可能となると考えられます。
さらに、タックスヘイブンに移されたお金の多くはマネーゲームに回されています。そこで、マネーゲームをすればするほど、つまり金融取引をすればするほど税金がかかる金融取引税を併せて実施すれば、投機を抑えつつ、税収を上げることができるようになります。
たとえば、日本で金融取引税を実施すれば、最大3兆円の税収が上がるという試算を、グローバル連帯税推進協議会は行っています。先ほどのタックスヘイブン課税と合わせると、8兆円の税収が得られる可能性があるのです。しかも、課税されるのは私たちではなく、タックスヘイブンを使ってマネーゲームに興じているお金持ちと大企業です。
タックスヘイブンの闇を明らかにして、取るべきところから税を取り、税収を途上国や私たちの暮らしの向上のために使うことができます。つまり、タックスヘイブンの問題は、遠い海外の問題ではなく、実は日本に暮らす私たちにも直結する重要な問題なのです。
パナマ文書をきっかけに、多くの方々がこの問題に関心を持ってくださることを期待します。

(出典 NHKホームページ)