銀行員の用語集

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セールアンドリースバック(Sale and Lease Back)とは

不動産流動化において、不動産の原所有者が、当該不動産を第三者に譲渡した後、又は不動産を信託してその受益権を第三者に譲渡した後、譲受人から賃借し、継続して譲渡不動産を使用すること。

(出典 国交省 不動産証券化に係る用語集(50 音順))

 

セール・アンド・リースバック取引とは、所有する物件を貸手に売却すると同時に、貸手から当該物件のリースを受ける取引をいいます。

(出典 新日本有限責任監査法人ホームページ)

 

お客様が所有されている機器や設備を、そのままの状態でいったん当社が購入し、同時にお客様にリースします。

(出典 NECキャピタルソリューションホームページ)

 

所有する物件を貸手に売却し,貸手から当該物件のリースを受ける取引を「セールアンドリースバック取引」といいます。所有する本社ビルをリース会社に売却し,本社ビルをリース会社から借り受けてそのまま事業の用に供する,といった取引が具体的な例としてあげられます。これにより,事業に影響を及ぼすことなく手許資金を潤沢にすることが可能になります。さらに,所有する固定資産に大きな含み益があれば,売却時に売却益を計上することが可能になり,利益操作に利用される可能性があります。

そのため,セールアンドリースバック取引による利益操作を防止するために,「リース取引に関する会計基準」により売却時に売却益の全額を認識できるケースは限定されています。しかし,基準に従わない会計処理も見受けられ,実際に発生した事例をご紹介します。
ニイウスコー株式会社は平成20年4月30日に,リース取引に関連する同社の行った不適切な疑いのある取引について,「調査委員会の調査結果概要と当社としての再発防止策について」を公表しています。その中に以下の興味深い2つの記述があります。

2)粗利益5%以上を計上したセール&リースバック取引
(略) こうした会計処理はセール時点で一時に利益の計上が先行して行われる一方,その後のリース料の支払に応じて徐々に費用計上が行われるため,計上した期の利益が実態に対して過大になる。 (略)。
ただし,これらの案件に関しては,営業担当者には不正の意図はなく,会計基準の認識・理解不足から生じたものであると認められる。
3)リース契約(会社)を利用した不適切な循環取引
(略) 売上利益の獲得,または損失計上の回避を目的として,(略),自社における設備投資物件に関わる製品等を売上原価として,いったん売上計上し,売却先または転売先経由で,会社がリース会社からリース資産または買取資産として計上するスキームである。

前者は会計基準からの逸脱であり,後者は,循環取引(第2回の売上取引に関する会計不正で紹介)とリース取引が絡んだ不適切な会計処理の事例であり,固定資産売却時に過大な利益を計上していました。
これらを防止するには,売却後も自社利用する重要な売却資産については,売却部門が事前に経理部門と適切な会計処理を検討するといった内部統制を構築することが重要です。

(出典 新日本有限責任監査法人ホームページ)