銀行員の用語集

金融全般の用語をここで

定期借家権とは

2000年3月に施行された「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」(通称:定期借家法)によって導入された制度。借地借家法の一部を改正する規定が含まれるが、定期借地権のように権利として定められたものではなく、定期借家契約ができることを規定したにすぎない。
従来の借家契約は期限が来た時点で賃貸人側から契約の解除を申入れても、賃貸人側に「正当事由」がなければ賃貸借契約は「法定更新」された。しかも更新された後の賃貸借契約は期間の定めのないものとなってしまい、賃貸人にとって極めて不利な契約であった。これに対し定期借家契約は、契約期限の到来とともに借家契約が終了するため、立退料が不要になり、家賃増減請求権を排除した契約を結ぶことが可能となるなど、賃借人保護に偏った従来の制度の問題点が是正されている。
定期借家契約により、建物賃貸経営を長期安定的なものにするのみならず、契約形態の多様性や供給される賃貸物件のバリエーション増大など、賃貸人・賃借人双方にとって大きなメリットをもたらすものとして期待されています。
契約を結ぶ際には、賃貸人は賃借人に対して公正証書などの書面を公布して「更新がなく期間満了により終了する」ことを説明する義務がある。また、契約終了の1年前から6か月前までの期間に契約終了の通知をしなければならない。但し、賃貸人と賃借人が合意すれば再契約することも可能である。

(出典 日本プロパティ・ソリューションズホームページ)

 

定期借地権の種類は3種類。

[1]一般定期借地権
 これは借地期間を50年以上とすることを条件として、a. 契約の更新をしない b. 建物再築による期間の延長をしない c. 期間満了による建物の買取請求をしない という3つの特約を公正証書などの書面で契約をすることで成立する。
 旧法借地権のもとでは、この3つの特約はいずれも借地人に不利な契約として、借地法上は無効とされていたが、新借地借家法の定期借地権に限りこの特約が有効とされた。この3つの特約をすることで、借地権は更新されることなく終了し、土地は更地で返還されることになる。

[2]事業用定期借地権
 もっぱら事業の用に供する建物(居住用を除く)の所有を目的に、存続期間を10年以上50年未満として契約する場合には、一般定期借地権と同様に、契約の更新、建物再築による期間の延長、期間満了における建物買取請求権が適用されないとするものである。
 厳密には、第23条の構成は第1項と第2項で規定されているが、第2項は、存続期間を10年以上30年未満として借地権を設定する場合は、定期借地権の要件が自動的に適用されるとするものである一方、第1項は、存続期間を30年以上50年未満として借地権を設定する場合においては、一般定期借地権と同様に3つの特約を定めることができるとしている。契約書を作成する上では、この相違点には留意する必要がある。
 事業用定期借地権は、定期借地権が創設された平成4年当初は、期間は10年以上20年以下と、短期間の活用が想定されていたが、平成20年1月に10年以上50年未満に改正された。また、事業用定期借地権で30年以上の契約期間を定める場合には、法24条の建物譲渡特約付借地権を併用することもできる。なお、契約はかならず公正証書でしなければならない。
 平成20年1月1日の借地借家法の改正で、事業用定期借地権は従前の「10年以上20年以下」から「10年以上50年未満」に延長された。定期借地権の立法化の過程で、事業用定期借地権で想定した活用はロードサイド店舗が主で、これらの事業期間が短いことから上限が20年になったといわれている。実際にはショッピングモール等の大規模なものが数多く出現し、当初想定した活用形態からは大きく変わっている。
 また、税制上の建物償却期間との不整合の問題が生じ、期間の延長に対する要望が強かったが、この要望に応えた改正といえる。
 今回の改正で、事業用使途で利用する場合は、その期間に応じて、
  ・10年以上50年未満では・・・・事業用定期借地権
  ・50年以上では・・・・・・・・・一般定期借地権
 と使分けができるので、実質的には事業用使途では期間の上限が撤廃されたことになる。さらに、30年以上の事業用定期借地権には建物譲渡特約借地権を併せることもできるので、建物収去を前提としない方式も可能となるなど、活用のバリエーションは大きく広がった。契約時の一時金については、借地人の事業者も前払い賃料であれば期間に応じた費用化ができるので、前払い方式の採用も今後は多くなると考えられる。

[3]建物譲渡特約付借地権
 借地権設定後30年以上経過した日に、地主が借地人から借地上の建物を買取ることを約束した借地権である。借地権を設定する際に、借地権を消滅させるため、30年以上経過した日に相当の対価で借地上の建物を地主に譲渡する旨の特約を結ぶことで、この借地権が設定される。将来の建物の買取りに関しては、所有権移転の仮登記などをしておく必要がある。
 建物譲渡特約付借地権を設定する場合は、特に書面による必要はなく口頭でも可能とされるが、将来の紛争予防のためにも書面による契約書をつくることが望ましい。
 地主が建物を買取った場合、借地人または借家人がそのまま建物を利用したいという場合には、借家契約の関係でその建物を借家として貸すことになる。平成12年に登場した定期借家契約を活用することで、期限を定めた借家契約とすることで安心して建物も貸すこともできる。
 この建物譲渡特約付借地権は、地主が借地人から建物を買取ることで借地権が消滅するが、建物の維持管理状態が良くないなどの理由から、地主が建物の買取りを止める選択をすることも考えられる。その場合、借地権は消滅することなく継続することになる。一般定期借地権または事業用定期借地権(30年以上)との併用をすることで、地主が建物買取予約の権利を行使しない場合には、一般定期借地権または事業用定期借地権の契約期間満了で借地権は消滅する。借地人が建物収去し、更地で返還することになる。

(出典 国交省ホームページ)