銀行員の用語集

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行動ファイナンスとは

「人は利益の追求のため常に合理的に行動する」という前提に立つ従来の経済学に対し、人の心理面などの動きに注目し、投資を行うにあたって「人はどのように意思決定し行動するのか、なぜ時として非合理的な行動をするのか」を研究する「行動経済学」に基づく投資理論。代表的なものが、人が損得を判断するにあたって、絶対的な水準よりもある地点からの変化の大きさによって価値を決める「参照点依存性」、利益を得るよりも損失による苦痛のほうが大きく感じる「損失回避性」、損得の絶対値が大きくなるほどその感覚が鈍ってくる「感応度逓減性」という三つの特徴をもつことを解説したプロスペクト理論である。

(出典 野村證券ホームページ)

 

現代ポートフォリオ理論なども含む伝統的かつ標準的な経済学においては、「人はみな合理的な選択をする」というのが基本的な考え方の前提となっていますが、行動ファイナンス理論では、「人は必ずしも合理的な選択をするとは限らない」という考え方が出発点になっています。人は投資判断をする際、常に合理的な選択をしているわけではなく、そこには心理的または感情的な要素が働きます。それが市場や価格形成にどのような影響を及ぼしているかを研究する学問が「行動経済学」や「行動ファイナンス」と呼ばれる領域だといえます。例えば、損が出ているときに株式をなかなか売らず、回復してから売ろうと思い込んでしまうような行動を科学的に検証したりします。

ワンポイント
プロスペクト理論を提唱したダニエル・カーネマンなどが、2002年にノーベル経済学賞を受賞したことで注目度が高まりました。金融工学よりも新しい学問で、まだ発展途上の研究分野だといえるでしょう。

(出典 SMBC日興証券ホームページ)

 

行動ファイナンスとは、市場に参加する人間のクセや性格などの心理面が投資行動にどのように影響するのかに注目した理論のことです。この学問を研究していくと心理学も学ぶ必要が出てきます。人間の心理を研究する必要があるため、どうしても心理学の知識が必要になります。また、年収の変化でどのような感情の変化を人間は持つようになるのかといったことにも注目しています。因みに、合理的な投資活動をする投資家ばかりではない、ということが行動ファイナンスの研究結果からわかっています。

(出典 東海東京証券ホームページ)

 

「人は常に合理的に行動するとは限らない」という前提に立って経済のあらゆる現象や金融市場の動きを考えていく理論。経済学と心理学を融合したような理論です。2002年にプリンストン大学のダニエル・カーネマン博士が行動ファイナンス理論のひとつである「プロスペクト理論」を展開し、ノーベル経済学賞を受賞しました。

(出典 三井住友アセットマネジメントホームページ)

 

人々は常に合理的な行動をとるとは限らない、という前提に立って経済のあらゆる現象や金融市場の動きを考えてゆく理論のことです。小さな損失は回避するが大きな損失の確定は先送りしたり、直近の経験などに判断が左右されたり、また相場が上昇を続けると他の投資家と一緒に自分も買いたくなる、ことなどが挙げられます。

(出典 カブドットコム証券ホームページ)

 

伝統的なファイナンス理論と行動ファイナンスの違いを整理すると、伝統的なファイナンス理論では、「投資家は新しい情報を正確に処理し価格に反映させる」ということが前
提となっている。すなわち、①新しい情報が得られた際に、確率 ) を正確に更新し、②その確率のもとで効用 の期待値を最大化する。
これに対し、行動ファイナンスの理論では、①と②のどちらかが成立しない場合を扱う(表 1)。例えば、本節で扱うものの中では、①が成立しないものとして代表性バイアスが挙げられる。これは、良いことが続けて起こるとまた良いことが起きると錯覚する心理であり、確率が正確に更新されない例となっている。また、②が成立しないものとして時間非整合割引率がある。これは、将来のことより現在の関心事を重視してしまう心理を表すもので、現在と将来の割引効用が異なることから近視眼的な行動が選択される例である。①と②の両方が成立しないものとしてはプロスペクト理論がある。これは、損失発生時に損切りできず大穴に賭けてしまうことを表すものであり、損切りできないという点の背景には従来の理論と異なる効用があり、大穴に賭けてしまうという点では正確な確率が使われていない。
【表 1 行動ファイナンスの代表的な概念】
(1)損失回避バイアスとプロスペクト理論
損失拡大時に損切りできず大穴に賭けてしまう心理。損切りできない心理を S 字型効用関数、大穴に賭けてしまう心理を確率ウエイト関数で表現する。ある損失額(基準点;reference point)を超えるとリスク回避型からリスク選好型に変わる。
(2)代表性バイアスとベイズの定理
良いことが続けて起こるとまた良いことが起きると期待する心理。ベイズの定理等で表現。地価が上昇し続けると次第に土地神話が形成される現象はこれに相当。
(3)近視眼的行動と時間非整合割引率
将来のことより現在の関心事を重視してしまう心理。時間選好性。近視眼的な行動が選択されることの説明に使われる。
(4)投資家の群集行動および自信過剰
人が購入した物を欲しくなる心理。株価がファンダメンタルと乖離して上昇することの説明に使われる。バブル末期に未経験者までが株を買う現象はこれに相当。

(出典 日本銀行金融研究所 金融研究/2011.1)