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GDPデフレーター(じーでぃーぴーでふれーたー)とは

物価動向を把握するための指数の一つ。GDP算出時に物価変動の影響を取り除くために用いられる。 

名目GDPを実質GDPで割ることによって算出される。GDPデフレーターは消費だけでなく、設備投資や公共投資なども含めた国内経済全体の物価動向を表す包括的な指標とされる。GDPデフレーターが上昇すればインフレ圧力が高く、逆に下落すればデフレ圧力が強いことを示す。ただし、GDPデフレーターは、国内生産品だけを対象としており、輸入品価格は反映されていない。

(出典 野村證券ホームページ)

 

物価の変動を表す物価指数で、名目GDPを実質GDPで割ったもの。
GDPデフレーターの増加率がプラスならインフレーション、マイナスならデフレーションと考えれれています。ただし、GDPデフレーターは原油価格の上昇など輸入物価の上昇による影響を反映してません。

(出典 大和証券ホームページ)

 

GDP統計で示される価格に関する指数で、GDP(国内総生産)を時価で表示した名目GDPの物価水準の変化分を調整するときに用いられます。GDPデフレーターで調整することで、物価変動の影響を受けない財やサービスの数量、すなわち実質GDPがわかります。
なお、GDPデフレーターは、GDPに計上される全ての財・サービスを含むため、企業物価指数や消費者物価指数よりも包括的な物価指標といえます。ただし、企業物価指数や消費者物価指数が輸入品価格も含んでいるのに対し、GDPデフレーターは国内生産品だけを対象にしています。

ワンポイント
デフレーターとは、「気球のように膨らんだものから空気を抜く」「しぼませる」という意味を語源とする言葉です。物価が上昇した分だけ膨らんでしまった名目GDPを、GDPデフレーターを用いてしぼませることにより実質GDPを算出します。物価が上昇している場合には、「名目GDP>実質GDP」となりますが、物価が下落している場合には、物価の下落分をGDPデフレーターにより膨らませるため、反対に「名目GDP<実質GDP」となります。

(出典 SMBC日興証券ホームページ)

 

GDPデフレーターとは、物価動向を示すための指標のひとつです。名目GDPを実質GDPで割ることによって算出されているもので、景気の判断を仰ぐための材料にもなります。消費や公共投資、設備投資など国内で行われた生産活動のほとんどを含めることになるため、国内経済の全体的な物価動向を読み取ることが出来るのです。GDPデフレーターが上昇すればインフレ圧力が強くなり、逆に下がればデフレ圧力が強くなっていることを示します。

(出典 東海東京証券ホームページ)

 

GDPを計算する際に使用する物価指数で、物価動向を把握するための指数としても使われます。物価が上昇していれば名目GDPが大きくなっても、付加価値を生産する経済活動が高まり経済が成長したとは言えません。したがって、物価の変動を除いた実質GDPによって経済活動の変化を評価します。この名目と実質の差である物価の変動を調整する値がGDPデフレータ(GDP Deflator)です。GDPデフレータ=名目GDP÷実質GDP の関係になります。

(出典 三菱UFJ信託銀行ホームページ)

 

国内で生産されたすべてのモノやサービスの付加価値の価格水準を示す指数で「名目GDP ÷ 実質GDP × 100」で求めます。消費者物価指数が国内で消費されるモノやサービスの価格の変化を示すものであるのに対し、GDPデフレーターは国内の企業の利益や労働者の賃金など所得の変化を示す指数であると考えられています。

(出典 カブドットコム証券ホームページ)

 

GDPデフレーター(GDP Deflator)とは、名目GDPを実質GDPで割ることによって算出される数値であり、物価変動をとらえるために用いられるパーシェ指数である。

GDPデフレーターと消費者物価指数は、ともに物価変動を示した指標であるが、GDPが国内で生産されたすべての財とサービスの付加価値の合計であることから、設備投資などの影響を受ける点でGDPデフレーターは消費者物価指数と異なる。

(出典 みずほ証券ホームページ)

 

経済が実際にどのくらい成長したかが判断するために、名目GDPを実質GDPに評価しなおす「GDPデフレーター」と呼ばれる指標がある。数式で表すと「名目GDP÷実質GDP=GDPデフレーター」となる。

例えば、上記のパン屋の事例でいえば、名目GDPは264万円であり、実質GDPは240万円であった。ここからGDPデフレーターは「264万円÷240万円=1.1」と計算できる。これは物価上昇もしくは物価下落がどの程度発生したかを示している。このGDPデフレーターが1以上となっていれば、基準年と比べて物価が上昇 (インフレ) していることを示す。一方、1未満となっていれば、物価が下落 (デフレ) していることを意味する。

こうした関係は、下記のようにも捉えることができる。式を別の見方で捉えれば、

名目GDP÷GDPデフレーター=実質GDP

と変えることができる。もし物価上昇 (インフレ) となれば、名目GDP>実質GDPとなることがおわかりになるであろう。また、物価下落 (デフレ) となれば、名目GDP<実質GDPとなる。

(出典 大和ネクスト銀行ホームページ)

 

GDP デフレーターは、国内総生産(GDP)の物価変動の影響を取り除く(基準年の価格体系に評価し直す)際に用いられる指数である。名目 GDP を実質 GDP で割ることによって結果的に算出される。
具体的には、GDP に含まれる財・サービスを複数の構成要素に細分化し、構成要素ごとにその名目値をパーシェ方式による物価指数で除して実質値を得る。つぎに構成要素の実質値合計で名目 GDP を除するとGDP デフレーターが求められる。このように結果として間接的に求められる価格指数をインプリシット・デフレーターという。
従来方式では物価変動を見る基準年を固定していたため、物価下落を過大評価し、実勢よりも GDP デフレーターが低めに出る傾向が問題視されていた。そこで内閣府は 04 年末に GDP デフレーターの算定について、より実勢を反映した方式に改定した。
新方式では基準年を毎年更新(連鎖方式)することに改め、パソコンやデジタル家電のように価格下落を伴いながら急速に普及した品目による押し下げ効果を最小限に抑える方式を導入している。

(出典 農林中金総合研究所2005年7月号)

 

GDPデフレーターはGDPの需要項目である個人消費や設備投資などの個別の需要ごとのデフレーターを総合したものだ。しかし、そう説明しても理解しづらいことは否めない。

そこで、GDPデフレーターは次のようなものだと考えるともう少し分かりやすくなる。GDPデフレーター=名目GDP/実質GDPだから、三面等価を考慮すれば、「GDPデフレーター=名目総所得/実質総生産」と読み替えることができる。つまり、GDPデフレーターとは「実質生産1単位当たりの名目総所得」のことだと理解できるわけだ。

「GDP=国内需要(個人消費、設備投資等々)+輸出-輸入」という関係があるので、輸入の減少はGDPを増加させる。このことから、たとえば原油の輸入価格が下落すると、輸入デフレーターが低下し(小さくなり)、逆にGDPデフレーターは上昇する(大きくなる)ことが分かる。原油価格の下落で国内の物価が下落している時に、総合的な物価指標であるGDPデフレーターが上昇することに違和感を覚えるかもしれない。しかし考えてみると、実質生産が変わらなくても輸入コストの低下によって国内の経済主体の所得が増えるわけだから、「実質生産1単位当たりの名目総所得」は大きくなる。GDPデフレーターの上昇は、国内の名目所得の増加を意味しているのだ。

(出典 三菱UFJリサーチ&コンサルティングホームページ)

 

◆インフレの下で低下するGDPデフレーター
GDPデフレーターというのは、ちょっと理解しにくい概念だ。デフレーターとは価格指数のことで、「名目GDP/GDPデフレーター=実質GDP」という関係があるので、「名目経済成長率をGDPデフレーターの上昇率で割り引くと実質成長率が算出できる」と言える。

つまりデフレーターは、観測される値(名目値)から机上で実質値を算出するために使われるわけだ。実質値が大事なのは、次のように考えれば理解しやすい。例えば名目GDPが3%増えた場合、それは名目生産額が3%増えたことを意味するが、3%の中に価格(デフレーター)の上昇分が何パーセント含まれているかによって実質(個数や量)ベースの生産の増加率が違ってくる。そして、実体的な景気(例えば雇用)への影響度合いを考えるなら、名目成長率より実質成長率の方が重要度は高いのだ。

このように考えると、高めるべき成長率は実質成長率だということになる。名目成長率が高かったとしても、それがインフレのせいであるなら意味がない。高い方がいいのは実質成長率で、低い方がいいのがインフレ率(デフレーターの上昇率)だ、となる。

それが常識だとすると、例えば原油や天然ガスの輸入価格が高騰して、国内でも価格が大幅に上昇するような状況が望ましくないのは言うまでもない。「大幅なインフレは悪」であり、「抑制すべきもの」だからだ。しかし、そのようなケースでは、往々にしてGDPの価格であるGDPデフレーターの上昇率は低下しがちだ。それは、経済全体でみた物価上昇率が低下するということだから、本来は望ましいことのはずだ。しかし、国内でインフレという望ましくない状況が実際に進行しているのに、総合的な物価指数であるはずのGDPデフレーターが下がってしまうのはなぜなのか。

◆GDPデフレーターとは何か
スーパーの果物売り場にあるリンゴの前に「300円/個」という札が立っているとしよう。この表示は、リンゴ1個の値段(価値)が300円であることを示している。同様に考えると、「GDPデフレーター=名目GDP/実質GDP」という関係は、GDPデフレーターが「実質GDP1個(単位)当たりの名目GDPの価値」を表していることを意味するわけだ。

一方、「GDPの3面等価」という原則がある。GDPは国内総生産のことだが、「生産」されたものは誰かが「購入」するわけだし、それを販売した人には「所得」が入ってくる。だから、国内で「生産」された財とサービスの総合計であるGDPは、「購入(支出)」の総合計でもあり、「所得」の総合計でもあるという考え方だ。

以上を踏まえて改めてGDPデフレーターを定義すると、「実質GDP1単位当たりの名目所得額」、つまり「(中間投入に使われない)最終生産物(財とサービス)1単位当たりの名目所得額」だと言える。そして、GDPデフレーターの上昇率が高くなれば、名目所得の増加率も当然大きくなるのだ。

ちなみに、名目GDPと名目所得が同じものであることは、GDPが付加価値の生産額であることを考えれば理解できる。付加価値は平たく言えば「売上げ-仕入れ」のことであり、「GDP=付加価値=所得」という関係が成立するからだ。

◆GDPデフレーターを上昇させる
さて、以上のことを考慮すると、実質付加価値(GDP)が変わらなくても、GDPデフレーターが上昇すれば名目所得額が増えることが分かる。それは名目付加価値額が大きくなることでもあるから、売上げと仕入れの差額が大きくなることである。早い話が売り値の上昇だ。

生産性が上昇すると実質GDPが増えるから、名目所得額も増加する。しかし、生産性が上昇しなくても、売価を引き上げて名目付加価値額を増やせば、名目所得額も増加する。生産性が上昇していない業態(企業)でも、値上げが通るなら賃金を引き上げることもできるということだ。

このように考えると、実質成長率が同じであっても、「賃金上昇率と物価上昇率」の組み合わせが「高い数字の国」と「低い数字の国」があることは想像がつく。そして、日本は明らかに後者の国だ。そうであれば、実質成長率を高めることが「低い数字の組み合わせ」から「高い数字の組み合わせ」に移行する原動力になるのではなく、どのような組み合わせになるのかは、何かもっと別の要因(国民性、文化など)が効いているのではないかという気がしてくる。

日本で何年にもわたってデフレが続いてきたのは、もともと「低い数字の組み合わせ」の国であったのだが、賃金の上昇率がさらに低下し、ついにマイナスにまで落ち込んでしまったことが、「単位当たりの名目所得額」であるGDPデフレーターを押し下げてしまったからだと想像することができる。

そういう国がデフレから抜け出すことを目指すのであれば、とにかく「名目所得額=名目付加価値額」を増やさねばならない。例えば、生産性が一向に上昇しない業態が売り値を引き上げるようなことをしても、消費者がそれを受け入れるなら、その業態の従業員の賃金を引き上げることができる。あるいは、ブランド力を高めて、高い価格付けをしても消費者が受け入れてくれるのであれば、大きな付加価値を実現することができる。いずれの場合も、GDPデフレーターの上昇につながることになる。

足下の物価上昇(消費者物価上昇率で1.3%程度)は、基本的には円安の進行による輸入価格の上昇を反映したものだ。これは前述したように、GDPデフレーターを押し下げる方向に働く。そのような形で物価上昇を実現させても「単位当たりの名目所得額」はむしろ減ってしまう。単位当たりの名目所得額が一向に増加しない状況は望ましくないのだとすれば、消費者物価の上昇を目標に掲げて、理由が何であれ、物価が上がりさえすればよいと考えるのは適切ではないことになる。そうであれば、そもそも日本で「高い数字の組み合わせ」を実現することが本当に望ましいのか、あるいはそれは可能なのかということも含め、「目指すべきこと」の吟味が必要だ。

(出典 三菱UFJリサーチ&コンサルティングホームページ/三菱UFJビジネススクエアSQUET 情報スクエア「五十嵐敬喜の『経済をみる眼』」2014年5月15日より転載)