銀行員の用語集

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自己資本(じこしほん)とは

貸借対照表の「純資産の部」の「株主資本」と「評価・換算差額等(その他の包括利益累計額)」の合計金額のこと。
借入金や社債などで構成される「負債」とは異なり返済の義務はないため、株主の持ち分といえます。自己資本利益率(ROE)や自己資本比率などの計算時は、「純資産の部」から「新株予約権」「少数株主持ち分(非支配株主持ち分)」を除いた金額と捉えることもあります。

以前は、自己資本と株主資本は同じものだとされていましたが、2006年施行の会社法で、株主資本が「純資産の部」のひとつの項目になったため、現在では自己資本と株主資本は異なるものだと認識されています。

(出典 大和証券ホームページ)

 

企業の総資本のうち返済する必要がない資本のことで、株主資本と呼ばれることがほとんどですが、企業が自分で調達した資金という意味合いで自己資本とも表現します。総資本は自己資本と他人資本で構成されており、資本金や法定準備金、余剰金などの純資産が自己資本となります。総資産に対して、この比率が高いほど他人資本が少なく、企業の経営体質が健全であるとされており、特に証券会社に対しては、その経営安定を図り金融不安を払しょくするために一定の資本確保のための規制がなされています。

(出典 東海東京証券ホームページ)

 

貸借対照表(B/S)の資産と負債の差額は「純資産」と表記されます。この純資産について、「株主資本や自己資本とは何が違うのか?」という質問もしばしば受けます。ざっくりとした理解では、純資産、自己資本、株主資本のいずれも会社の正味の財産という意味であり、それぞれの違いはあまり気にしなくても良いと思います。2006年に会社法が改正されるまでは、これら3者には実質的な違いはありませんでした(それ以前は純資産という概念はありませんでしたが)。

しかし、厳密には以下の違いがあります。日産自動車の平成28年3月期の純資産の内訳を元に解説しましょう。

純資産は、「株主資本」「その他の包括利益累計額」「新株予約権」「非支配株主持分(連結財務諸表のみ)」の4つから構成されています。株主資本は純資産の一部であることが分かると思います。

株主資本=資本金+資本剰余金+利益剰余金-自己株式

ざっくりの理解としては、株主からの出資(資本金と資本剰余金)と会社がこれまで稼いだ利益の累計額(※)の合計から会社が保有する自己株式を差し引いた金額になります。

その他の包括利益累計額=その他有価証券評価差額金+繰延ヘッジ損益+退職給付に係る調整累計額+為替換算調整勘定(連結財務諸表のみ)等

ざっくりの理解としては、会社が保有する資産や負債の「含み損益」です。例えば、「その他有価証券評価差額金」とは、会社が株式持ち合い等で保有する上場株式の含み損益のことです。仮に今売却したら発生する損益です。「株主資本」は、既に確定した株主の持分であるのに対して「その他の包括利益累計額」は暫定的な株主の持分という違いがあるため区別します。

なお、「株主資本」+「その他の包括利益累計額」を一般に「自己資本」と言います。実は、B/Sの表記には自己資本はありません。また、一般的には、

ROE=(親会社株主に帰属する)当期純利益÷自己資本

と表されます。分母の自己資本は株主資本+その他の包括利益累計額になります。

「新株予約権」の代表例はストックオプションですが、新株を購入する権利を保有するのは必ずしも現在の株主とは限りません。また、「非支配株主持分」は、現在の会社の株主の持分ではありません(参照:少数株主持分(非支配株主持分)って何?)。

「株主資本」と「自己資本」は、確定か暫定かの違いはあるものの会社の現在の株主の持分であるのに対して、新株予約権と非支配株主持分は必ずしも現在の株主の持分とは言えない部分です。純資産には会社の現在の株主の持分以外も含まれるので注意が必要です。

※配当などを支払った残りで、内部留保とも言われます

(出典 グロービス経営大学院ホームページ)

 

貸借対照表の貸方項目を構成する要素のひとつで、広義には、資産と負債の差額を示す「純資産」と同じ意味を持つ。また、同じ貸方項目である他人資本と合わせて、借方項目である「総資産」と対比させることもある。 
自己資本は、借入金などで構成される他人資本とは異なり、返済の義務がなく、経営の安定性上、自己資本の充実は重要である。

(出典 野村證券ホームページ)