銀行員の用語集

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質への逃避とは

先行きに対する不安が著しく高まった時、リスクを避けるために「より安全性(信用度)・流動性(換金性)の高い投資対象」を投資家が求めることをいう。相対的にリスクが低く流動性が高い投資対象への動きがある。

(出典 野村證券ホームページ)

 

質への逃避とは、経済不安など先行きが不透明になった時に、投資家が投資対象をよりリスクの低い、安全性の高いものを投資家が求めることを指します。具体的には株式から、国が発行元である国債、実物資産で無価値になる心配の少ない金に移すのが一般的です。これらは安全資産とも呼ばれ流動性も高いことから、不況時などには、真っ先に注目される運用先となります。また、新興国市場から先進国市場へといった具合に、より安全な国への資金移動を指す場合もあります。

(出典 東海東京証券ホームページ)

 

金融市場の混乱等によって将来に対する不安が高まった結果、投資家がリスクの高い投資からよりリスクの低い投資へと投資資金を移行することを言います。

欧州危機が叫ばれる中、欧州通貨であるユーロ(EUR)が売られ、相対的に安全とされる日本円(JPY)が買われるという円高ユーロ安も「質への投資」の一つです。

対義語:リスク選好

(出典 カブドットコム証券ホームページ)

 

「質への逃避(しつへのとうひ)」とは、金融市場の混乱により不安が著しく高まった時、リスクを避けるために、より安全性(信用度)と流動性(換金性)が高い投資対象を投資家が求めることをいう。
リターンよりも、相対的なリスクが低く、流動性がより高い投資対象へ資金が移動する。

「質への逃避」の例

  • 金(gold)の価格上昇。
  • 為替変動リスクを回避するために、自国市場に資金を移動。
  • 新興諸国市場から先進国市場へ資金の引揚げ。
  • 株式から債券への資金の移動。
  • 債券の中でも社債や住宅ローン担保証券などから国債等の低リスク債権へ。

(出典 楽天証券ホームページ)

 

金融市場が混乱して先行きに対する不安が著しく高まった時に、リスク回避のため、より安全性・信用性・流動性が高い投資対象に資金が動くことを言う。

(出典 トレイダーズ証券ホームページ)

 

株価の急落、乱高下など、市場の先行き見通しが著しく不透明になった場合、投資家が、リスクを避けるために、より安全性・流動性のある資産に投資資金を移動させる動きをいう。具体的には、株式から債券への資金移動、エマージング・マーケットからの資金引き揚げ、海外市場から国内市場への資金移動、また、各資産の中でも、リスクが相対的に低い金融商品への資金移動、などが挙げられる。

(出典 フィデリティ投信ホームページ)

 

夏休みも終わりに近くなると、海水浴場の波も次第に荒くなってくる。波に乗りながら泳ぐのも楽しいが、岸から離れすぎると急に不安になり、慌てて波打ち際まで戻ったりする。不安に駆られると、とりあえず安全な場所に移動しようとするのは、人間の当たり前の心理だ。
 株価の暴落などで、金融市場に不安心理が広がった場合にも、同じような行動がとられることがある。「質への逃避」(fly to quality)である。 
 投資には、価格が動くことによって生じる「価格リスク」と、投資した株式や債券などが紙くずになってしまう「信用リスク」という大きな二つのリスクが存在する。また、価格が下落している時に、売ろうと思っても買い手が見つからず、取引が思うに任せないという「流動性リスク」もある。
 こうしたリスクの大きいものの代表が株式で、民間の金融機関や企業が発行した社債や債券の中には、大きなリスクを持つものがある。一方、国が発行している国債などは、主要国であれば紙くずになる恐れは小さく、値動きも株式などに比べれば緩やかで、流動性も高い。最もリスクの小さいのが現金で、価格の変動もなければ、クーデターで政府が転覆でもしない限り、紙くずになる恐れもないだろう。
 株式、国債、現金を海水浴に置き換えるなら、「株式市場」は岸から離れ、足もつかない波の荒い場所、「国債市場」は波打ち際、そして、銀行預金を含む「現金」は、砂浜ということになる。
 今ここで、株式市場の急落などによって、金融不安が広がったとしよう。急に大波が押し寄せ始めたことで、海岸から離れた株式市場で泳いでいた投資家の中には、危険を感じて海岸に向けて戻り始める人が出てくる。彼らが集まってくるのが、「波打ち際」にある国債市場だ。もちろん、最も安全なのは現金か銀行預金だが、金利はゼロか、ついてもごくわずか…。砂浜に上がってしまっては、投資家の名が泣くことから、信用リスクが小さく、利息も現金や銀行預金よりは高い上に、簡単に換金できる国債市場に人気が集中することになる。
 このように、株式市場の暴落に伴って、主に国債市場に資金が急激に流れる現象を、「質への逃避」と呼んでいるのである。
 国債市場に資金が流れ込むと、国債の金利は低下する。金利はお金の価格であり、その水準はお金に対する需要と供給で決まる。国債市場に資金が多く流入すれば、お金の供給が増えたことになり、お金の価格である金利は下落する。
 ここでややこしいのが、「金利の下落」と「国債価格の上昇」の関係だ。
 国債は発行された時点で、例えば10年物の国債なら、10年間の利回りが3%という「表面金利」で発行されるのだ。しかし、ここで国債の人気が高まり、大量の資金が流入したため、金利水準が2.5%になったとしよう。この2.5%という金利は「実質金利」と呼ばれるが、3%という「表面金利」は変わらないことから、誰もが3%の国債を買おうとする。そこで、金利を変える代わりに、価格を引き上げて調整が行われることとなる。これが、実質金利が下がると国債価格が上昇する仕組みなのだ。そして、「質への逃避」が起こると、国債の金利が下落し、価格が上昇するというわけなのだ。
 アメリカの「サブプライムローン問題」に端を発して株価が急落した場面でも、「質への逃避」が明確に見られた。株式市場の荒波に、投資家が恐れをなして、波打ち際に集まってきたのだ。この結果として、国債の実質金利は下がり、価格は大きく上昇することとなった。
 しかし、こうした状況が長い間続くことはまれだ。投資家は基本的にリスクを好み、そこで利益を上げようとする。したがって、波打ち際に戻ったものの、再び沖でのびのびと泳ぐチャンスをうかがっているのだ。株式市場が暴落し、「質への逃避」によって下落した国債の金利が上昇に転じた時、株式市場は反転する可能性が高くなる。国債市場という波打ち際に避難していた投資家たちが、「荒波は収まった」と、株式市場という沖へ向けて、再び泳ぎ始めるからなのだ。
 金融市場の動揺はどの程度で、いつまで続くのか…。「質への逃避」に伴う国債市場の変動は、金融市場の不安定さを計る重要なバロメーターなのである。

(出典 イミダス)