銀行員の用語集

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資本コストとは

資本コストとは、企業の資金調達に伴うコスト。

具体的には、借入に対する利息の支払いや、株式に対する配当の支払いと株価上昇期待である。

資本コストの代表的な計算方法としては、WACC(加重平均資本コスト)がある。これは、借入にかかるコストと、株式による調達にかかるコストを加重平均したものである。

なお、投資家の要求を満たすためには、事業計画の収益率は、資本コストを超えなければならない。

資本コストの考え方は、まだ日本のビジネス界では十分に認識されているとはいえない。しかし、資本コストは事業の価値計算において必須であるばかりでなく、グローバルに事業を展開する上で重要な概念である。

企業活動のサイクルと資本コストとの関係は、次のようになる。

・投資家が資本(キャッシュ)を調達する。

・投資家が調達した資本を企業に投資する。企業側から見れば、資本の調達になる。

・企業が資本を投下して資産を形成する。

・企業は資産を有効活用してリターンを生み出す。

・企業は資本を提供してもらった投資家に報酬を返す。

資本コストは、債権者が要求するリターンと、株主が期待するリターンに分かれる。債権者が要求するリターン、つまり債権者に対する資本コストとは利子である。利子は社債を発行する時、借入を行う時にその条件が決められるため、コストの算定は容易である。一方、株主に対する資本コストは利子のように明確には規定されていない。

日本のビジネス界においてしばしば見受けられる誤解は、企業にとって株主に支払わなければならないのは配当だから、株主に対する資本コストは配当である、という認識である。株式は企業が資本を調達するために発行するものとの原点に立ち返れば、誤った認識であることは明らかである。仮に株主が期待できるリターンが配当だけだとすると、投資家はより安全な社債で配当以上のリターン(利子)を得ることもできる。さらに、配当は利子と違って、減配や無配となる可能性もある。従って、資本コストはCAPM(資本資産価格モデル)によって算定しなければならない。

(出典 グロービス経営大学院ホームページ)

 

 資本コストとは、「企業の資金調達に伴うコスト」のことです。企業が資金調達をする際には、株式による調達(株主資本コスト)と、借り入れによる調達(負債コスト)の2通りのコストがかかります。

 株主資本コストは、株主が要求する収益率(期待収益率)です。会社側からすれば、株主に対して行う配当や、利益を上げて株価が上昇することで株主に還元するキャピタルゲイン(株式の値上がり益)といったコストが発生します。
 負債コストは、債権者の要求する収益率(期待収益率)です。いわゆる貸したお金の利子です。

 資本コストとは資金調達する側の言い方、期待収益率とは投資する側の言い方であり、資本コスト=期待収益率、という構図が成立することが分かります。

WACCは2つのコストの加重平均
 資本コストは、株主資本コストと負債コストを加重平均して求めることから、「加重平均資本コスト(WACC, Weighted Average Cost of Capital)」とも呼ばれます。WACC (ワックと読みます)は、次の計算式から成っています。

 WACC = RE × (E/(E+D))+RD(1-t)×(D/(E+D))
 RE:株主資本コスト
 RD:負債コスト
 E:株主資本
 D:有利子負債
 t:実行税率

 割引率とは、「将来価値を現在価値に換算する際に使う利率のこと」ですが、資本コストは、割引率を具体化したものと言えます。WACCは、企業価値評価の代表例であるDCF法で計算する際、割引率の計算で使いますので、非常に重要な公式です。

株主資本コストはCAPMで計算
 株主資本コストは、調達する企業側からすると「株式から調達するコスト」ですが、投資する側からすると、「株主が要求する収益率(期待収益率)」です。実務では、CAPM(キャップエムと読みます)の式の計算から求めます。具体的には、以下の式からなっています。

 CAPM
 RE=rf+(RM-rf)β
 rf…リスクフリーレート
 RM …株式市場全体の期待収益率
 β…個別銘柄のベータ値

(出典 「資本コスト」を理解する 初心者でもわかるコーポレート・ファイナンス入門(第3回)日本経済新聞出版社ホームページ) 

 

資本コストは、企業が事業や経営活動を行う場合に調達した資本にかかるコストのことを言います。資本調達を行う為に企業は株主等から出資や支援を受ける株主資本、債権者等から調達していく負債が存在します。株主資本としては株主資本コスト、負債は負債コストの二種類となります。これらの負債コストと株主資本を加算して平均化したものを加重平均資本コストと総称されています。略称ではWACC(ワック)と呼ばれており株式取引で必要な用語になります。

(出典 東海東京証券ホームページ)

 

企業が事業を行うために調達した資本にかかるコストのこと。資本を調達するためには、株主より出資を受ける株主資本と、債権者より調達する負債がある。
株主資本は株主資本コスト、負債は負債コストとなる。なお、株主資本コストと負債コストを加重平均したものを加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of Capital)といい、WACC(ワック)とも呼ばれる。

(出典 野村證券ホームページ)

 

企業の資金調達に伴う費用のこと。
このうち株主の出資に対して要求する利益のことを、株主資本コストと言います。借入金における支払利息、株主資本における配当金などがこれに相当します。

(出典 大和証券ホームページ)

 

企業価値を向上させるためには利益を高めることだけでは不十分である。企業は資金を調達して事業を行っているため、調達コストがかかる。この調達コスト以上に利益を高めることで、企業は付加価値を生みだし、企業価値が向上する。資金提供者である投資家(債権者や株主)に支払うコストを資本コストという。資本コストは、債権者、つまり負債に対するコストと、株主、つまり株主資本に対するコストに分かれる。そして、負債と株主資本のコストの加重平均を WACC と呼ぶ。
投資家は、出資額に対する利益(投下資本利益率)と資本コストを比べる。そして、投下資本利益率が WACC を上回っていれば企業価値が向上し、下回っていれば企業価値が低下すると判断する。この考え方を投下資本全体ではなく、株主資本に限定したものが、ROE と株主資本コストである。

(出典 三菱UFJ信託銀行 資産運用情報2015年6月号)